GREETINGS AND SALUTATIONS!
ごあいさつ
サリュテーション・コンソーシアム ニュースレター
1999年3月


目次

会長からのメッセージ
サリュテーション・ニュース
マネージング・ディレクターより
サリューテーション・シナリオ
製品フォーカス
テクニカル・トーク
展望
イベント情報

会長からのメッセージ

先月ご報告いたしましたように、サリューテション・コンソーシアムは当初の重点エリアを超えてオフィス周辺機器にまで対象範囲を拡張しています。実現方法をハンドヘルド(手の中に入るサイズ)およびパームトップ(手のひらサイズ)コンピューターと一貫性を持たせることによって、サリュテーションの潜在力を十二分に発揮してこの拡張を達成いたします。第1段階は、この領域で活動するほかの業界グループからの要望を収集することでした。

現在進行中の第2段階は、前段階で収集した要望を満たすためにサリューテーション・アーキテクチャを拡張することです。前号のごあいさつ では、ディスプレイおよびオペレーティング環境機能単位に関する初期作業についてご報告いたしました。本号のテクニカル・トーク・セクションでは、帯域幅利用を下げるための取り組みについてご報告しています。

本号のシナリオ・セクションでは、ハンドヘルドおよびパームトップ市場でサリューテーションを利用する価値を、ジオグラフィック・コンピューティングに関するディスカッションと共にご説明します。

サリュテーションの重点エリアを広げるにあたり、根幹部分を切り捨てることはありません。オフィス・オートメーション市場においても、引き続き強力な存在であり続けます。このことは、米国および日本における最近のリコー、日立、ソニーからの発表を通しても明らかです。

サリューテション・コンソーシアムはオープンな業界フォーラムです。メンバー企業は技術面および金銭面の両面でコンソーシアムを支援しています。単一企業がスポンサーとなる技術とは異なり、サリュテーション・アーキテクチャは非独占的で完全にオープンです。アーキテクチャのさらなる開発に関し、みなさまからのご意見を常に歓迎しています。

 

サリュテーション・ニュース

 

サリュテーションのネットワーク技術を組み込んだIBMテクノロジーをリコーが採用

(株)リコーはIBMのNuOffice文書管理ソフトウェアを同社のデジタル・イメージ処理システムに採用したと発表しました。サリュテーション・コンソーシアム マネージング・ディレクターのロバート F. ペコラ氏によると、NuOfficeはネットワークのプラグ・アンド・プレイ相互運用性に関するコンソーシアムの技術を採用した米国初の主要製品です。リコーの発表によれば、1999年末までにNuOfficeは種々のリコー製デジタル製品と互換性を持つようになります。

「この発表は、サリュテーションが市場に浸透する勢いを際立たせています。サリュテーション技術はすでにいくつかの主要メーカーの最重要製品ラインに組み込まれています。」

 「リコー/IBM製品は、Xerox社が同社の主要多機能デジタル・オフィス・システムであるDocument Centreファミリーにサリュテーション・アーキテクチャ・サポートを追加する意向を発表した昨年9月の発表に続くものです。スキャンニング、文書管理、電子メール、メッセージング、ファックス、および分散印刷などのための統一性のあるシステムをベンダーが提供するにあたり、サリュテーション技術が役立ちます」 とペコラ氏は言います。

詳細については、本ニュースレターの製品フォーカス・セクションを参照してください。

マネージング・ディレクターより

 

サリュテーションが先を行く

最近、装置、プログラム、サービスをネットワーク上で相互運用する方法を根本的に変える新規テクノロジーが開発されつつあることに関し、多くの記事が業界紙を賑わせています。このような新規テクノロジーを開発している企業は、Hewlett Packard、Microsoft、Sun Microsystemsなど、どれもインフォメーション・テクノロジー業界では誰しも知っている企業ばかりです。これらの企業は誰もが認める業界リーダーなので、新聞や業界ウォッチャーは非常に緊密に各社の動向を見守っています。HPのJetSend、SunのJini、MicrosoftのUniversal Plug and Play (UPnP)といったこれらのテクノロジーの内容、方向性、および進捗状況について報告する記事が毎日のように掲載されます。多くの場合、このようなテクノロジーは、今日までに何が提供されたかではなく将来何が提供されるかに基づいて比較されます。3社の中で、HPだけがJetSendという製品を出荷しています。他の2社は、新規テクノロジーを含む製品の出荷には1年以上かかると予測しています。結論としては、これらのテクノロジーは相互運用ソリューションとして何が提供または実現されているかによってではなく、ブランド名から想起されるマインドシェアで先行しているだけだと言えます。

現在の製品出荷

対照的に、サリュテーション・コンソーシアムは着実に進歩しています。サリュテーション技術はすでに開発され、拡張され、実装され、テストされ、そしてお客様へ提供されています。サリュテーション・アーキテクチャおよびプロトコルに基づいた相互運用可能なハードウェアおよびソフトウェア・ソリューションが、過去18ヶ月にわたって出荷されています。メンバー企業およびメンバー以外の企業から、四半期ごとに新製品発表が行われています。お客様のネットワークに真のプラグ・アンド・プレイ・テクノロジーをもたらす競争では、本当の先駆者はサリュテーションです。

即時ネットワーキングの検索とバインド

複数ベンダーから出荷されたサリュテーション対応ハードウェア/ソフトウェア製品は、真の相互運用性を含めたビジネス・ソリューションをお客様に提供しています。サリュテーション技術は、お客様のネットワーク・ソリューションの作成と管理の簡素化に役立つ「検索してバインドする」機能を提供します。お客様は、ネットワークで結ばれた業界屈指のビジネス・ソリューションに対してだけでなく、商用および一般消費者用のハンドヘルド製品のすべてに対して、実装と管理が簡単で使い易い相互運用性を必要とされています。

オープンで非独占的かつ使用料不要

現時点では、サリュテーション・コンソーシアムとそのアーキテクチャは、ハンドヘルドおよびパームトップ・コンピューティング市場に対して技術的および使い易さの優位性を唯一提供するものとして位置づけられています。真にオープンで非独占的かつ使用料不要のこのアーキテクチャは、急成長するハンドヘルド市場の要件を満たすために拡張されています。サリュテーション・アーキテクチャは、最初からあらゆるネットワーク機器をサポートするように設計されました。アーキテクチャはインプリメントする各社の意向に応じて、提供する機能性を加減できるような構造になっています。オフィス・オートメーションに最重点を置いているにもかかわらず、ハンドヘルド装置およびアプリケーションにも適用できます。詳細については、このニュースレターのシナリオおよびテクニカル・トーク・セクションを参照してください。

アーキテクチャへのベンダーの影響力

業界の企業および個々の開発者は、各々の顧客ニーズを最大限満たせるように、サリュテーション・アーキテクチャの方向性と機能拡張に影響を与えることに参画できます。開発者はそれぞれの製品やアプリケーションでこの最先端技術を即座に利用できます。新規および革新的アプリケーションは、独特なネットワーキング機能と市場におけるリーダーシップを備え持つサリュテーションを利用して開発できます。サリュテーション・コンソーシアムは、相互運用性に即刻影響を与えたいハンドヘルドおよびパームトップ・コンピューティング市場に参与するあらゆる企業や組織に対して開かれています。

サリュテーション・シナリオ

 

ジオグラフィック・コンピューティング

以下は『Geographic Computing: Enabling New Markets for Hand Held and Palm-Size Information Appliances』(サリュテーション技術白書)からの抜粋です。この白書およびその他のサリュテーション技術白書の全文については、次のWebアドレス http://www.salutation.org/apsalute/moreinfo-j.htm を参照してください。

ハンドヘルドコンピューター(HPC)やパームトップ・コンピューター(PPC)が、現在あなたのいる地域のサービスと直接通信できることを想像してみてください。たとえば、次のようにです。

その場所を去るとき、接続が遮断され、ローカル・サーバーによって提供された情報は消えてなくなります(まだ購入できない発表済み新製品という意味の「ベーパーウェア」という用語に新たな意味が吹き込まれます)。 手持ちのHPC/PPCは、次に出くわすサーバーを探して接続します。

このように、手持ちのHPC/PPCを使って、現在いる場所にある情報サーバーに接続し、コンテンツを交換することを、ジオグラフィック・コンピューティングといいます。

ジオグラフィック・コンピューティングには、消費者とサービス・プロバイダーの両方にとって本物の価値が期待できます。

消費者にとっての価値: 必要なときに最新情報を、簡単かつ即座にHPC/PPCのポイント・アンド・タップ・インターフェースを通してリアルタイム・アクセスできます。ユーザはそのときの最大関心事についての情報を即座に取り出すことができます。

サービス・プロバイダーにとっての価値: 的を絞った広告や販促メッセージを、条件の整った顧客に発信できます。ジオグラフィック・コンピューティングでは、すでに店内にいて購入しようとしている顧客と即座にコンタクトできます。広告メッセージも、ニュースプリントやWeb広告などのように不特定多数ではなく、わかっている消費者ベースに対して発信できます。サービス・プロバイダーは、その環境を訪れる消費者から人口統計的な情報も得ることができます。

混在するハンドヘルド環境

さまざまなHPC/PPCフォーム・ファクター、アプリケーション・コンテンツ、およびオペレーティング環境が混在する現在の状態は、ジオグラフィック・コンピューティングの開発を阻害しています。これは主に、多岐にわたるオペレーティング・システム、ベンダー/アプリケーションの使用料、およびその他の環境的考慮点などに起因しています。

しかし、サリュテーション技術を用いると、HPP/PPCを持つ人がある地理環境に足を踏み入れたときにサーバーはHPC/PPCの機能を発見し、必要であればこのような機能に自動的に応答できます。このようにして、サーバーはHPC/PPCが備えているもっとも優れたテクノロジーを使用したり、また必要に応じて独自のテクノロジーを提供します。

可能性の発見

サリュテーション技術は、ローカル・サーバーがHPC/PPCの機能を発見し、対話をしかるべくカストマイズする手段を提供します。サリュテーション技術を使えば、サーバーは画面サイズと画面のグラフィック機能およびカラー機能を判別できます。また、特定のHPC/PPCのオペレーティング環境、空きストレージ/メモリー量、搭載されたアプリケーションも判別できます。サーバーはこの情報を用いて、これら機能に合う適切なデータやアプレットなどをダウンロードできます。

サリュテーション・ベースでは、ソリューション・プロバイダーは情報に対して、特定のデータ・プロトコル用に特化して設計された装置からのアクセスではなく手元の装置からのユーザ・アクセスを提供できます。サリュテーション・ベースではさまざまな情報アクセス機器用に対話を調整でき、アプリケーションやサーバーに情報供給できます。サリュテーション技術のオプション・コンポーネントを使うと、異なるネットワーク・プロトコル間で情報の流れを制御するための共通の標準が提供されます。

製品フォーカス

 

リコーはロータス・ソフトウェア・ソリューションの使用を通してイメージ・コミュニケーション戦略の実現に向けた重要な一歩を踏み出す

本日、米国におけるデジタル・モノクロ・コピーのトップ・メーカーであるリコーは、IBMの子会社であるLotus Development製の革新的文書管理ソフトウェアを採用することを発表しました。これは、リコーのイメージ・コミュニケーションに関するビジョンを拡げるものです。

リコーの業界賞受賞歴のある一連のデジタル・イメージング・システムとロータス ドミノおよびNuOfficeソフトウェアの組み合わにより、オフィス・ワーカーやモバイル・ワーカーは紙および電子文書のための使い易いソリューションを手にできます。イメージ・コミュニケーションは、あらゆる形式の文字、数字、写真、イラスト、音声を無制限にやりとりするためにもっとも簡単な形式 -- すなわちイメージで -- 誰もが簡単に作成、変更、処理できるようなオフィス環境を構築するために、リコーが描く戦略的ビジョンです。

NuOfficeソフトウェアを使うと、Lotus Development Corp.の最先端Webサーバー・ソフトウェアであるロータス ドミノはリコーが保証するサリュテーション・アーキテクチャをサポートできます。サリュテーション・アーキテクチャは、リコー製品を含む広範囲の装置をアクセス、管理するためのユニバーサルな手段を提供します。これによりユーザは、オフィスの内外を問わずネットワークに接続された任意のロータス ノーツ対応コンピューターやオフィス周辺機器間で情報やイメージをやりとりできます。

NuOfficeソリューションは、イメージ・コミュニケーション戦略のさらなる実現を表すと同時に、リコーの次世代のデジタル製品用ビジネス・コミュニケーションを表しています。将来的にリコーは、分かりやすく処理しやすい方法でコンピューターのデータやイメージ情報をリンクする革新的製品を通し、自由なデータ交換を促進する「(特定目的のための)取り付け器具」のような製品の提供を続けます。

「NuOfficeを使うと、リコーの技術とロータス ドミノのプログラミングを利用した新しいコミュニケーション・ソリューションをお客様にご提供できます」と、Jill Brown氏(リコーのフィールド・マーケティング部門イメージ製品マーケティングのマーケティング・マネージャー)は語ります。「このソリューションは、本質的にあらゆる通信装置をインテリジェントな周辺機器に変え、ユーザは文書をより自由にコントロールできるようになり、イメージ・コミュニケーションの概念をさらに深めるものです。」

Ajei Gopal氏 (IBMのパーベイシブ・コンピューティング・テクノロジーのディレクター) による、「リコーによるサリュテーション・アーキテクチャのサポートは、標準の持つパワーを強力に保証するものです。この標準によって、お客様はシームレスに手持ちのテクノロジーをリンクできるようになります。IBMのロータス ドミノとNuOfficeソフトウェアをリコーのデジタル・ソリューションと組み合わせると、お客様は生産性を上げるために必要な情報により簡単にアクセスできるようになります。」

情報転送のための「集中ウェアハウス」として動作するNuOfficeは、最先端のコミュニケーション・ソリューションを提供するというリコーのビジョンをさらに推し進めるプロダクション・ツールであり、コンビニエンス・ツールでもあります。たとえば、NuOfficeを使うと、ユーザはPC以外にもプリンタやその他の周辺機器へ文書を送信できます。また、スキャナーで読み取った文書をロータス ドミノデータベースへインポートし、印刷であれ電子メール送信であれ、その文書の情報をアクセスしたり配布したりできます。

「NuOfficeは多くのモバイル・ユーザや通信ユーザを抱える大企業のオフィスやワークグループにとって理想的なソリューションです」とBrown氏は言います。「情報の送信や検索が実質的に自動化されるので、コミュニケーションが向上し、潜在的なシステム停止時間がなくなります。」

NuOfficeは1999年末までにリコーの種々のデジタル製品との互換性を持つようになります。

イメージ・コミュニケーションの追加情報。イメージ・コミュニケーションはリコーの新しい戦略であるばかりでなく、仕事環境についてのリコーの新しい見方です。新しいオフィス・モデルは先例のない柔軟性を備え、したがってこの柔軟性をミラーリングするソリューションを必要とします。

リコーの将来の製品提供やオフィス・ソリューションは、この新しいイメージ・コミュニケーション戦略で駆動されています。個々のユーザは集中データベースを通して情報の共用、転送、保管を行いながら、ホームオフィス、モバイルオフィス、会社のオフィスのいずれからでも仕事ができるようになります。

次の5つの製品およびサービス概念がリコーのイメージ・コミュニケーション戦略を支えています。

将来のリコー製品は、リコーのイメージ・コミュニケーション・イニシアティブを反映して真のデジタル情報交換を実現します。このような製品により、文字、数字、図形、音声を含むあらゆる種類の情報は集中情報ストレージ装置に接続され、どこからでも操作できるようになり、加工や印刷のためにどこへでも送信できるようになります。

さらに、リコーは情報を標準使用フォームとして自動的に電子データに変換することによって紙の量を最小化する紙管理環境を創出することにより、環境保護への決意を強化しています。

テクニカル・トーク

 

サリュテーション技術委員会が低帯域幅の考慮点に取り組む

提案されたし距離限定のワイヤレスBluetoothネットワークなどの低帯域ネットワークは、そのネットワークを使うエンティティー間で転送されるデータ量に注意が必要です。ネットワーク内のすべての装置に対して限られた帯域で最大限の可用性を保証するには、データ・トラフィックが最小に保たれる必要があります。このことは、各サービス機能に関する応答指令信号を送信する必要があり得るサービス/機能ディスかバリーなどのようなポーリング操作には不可欠です。

この種のネットワークを対象とする多くの装置は電池で作動します。サービス/機能ディスカバリーなどのためのデータ・トラフィックを抑えることが、電池の寿命をほかのトランザクション用に温存することになります。

サリュテーション・ディスカバリー・プロトコルは、サリュテーション機能交換プロトコル・シーケンス中に交換されるデータ量を削減するように改善可能です。具体的には、この変更要求では、生成された応答の種類をCapability Exchangeコールに指定する方法を詳述しています。

技術委員会はQuery Capabilityコールに対する3種類の応答を提案する変更要求をレビューしています。これらの応答は、現在のサリュテーション・アーキテクチャで定義されたとおりの比較操作が正常に完了した場合だけ生成されます。

3つのQuery Capability応答:

Maximum

Maximum応答は、現在のアーキテクチャで定義されています。これは、一致する要求済み/登録済み機能単位記述レコードの和集合をサービス記述レコードが含んでいる応答です。

Nominal

Nominal応答は、機能単位ハンドルが登録済み機能単位のハンドルに設定されている場合に、一致する要求済み機能単位記述レコードのコピーをサービス記述レコードが含んでいる応答です。

Minimum

Minimum応答は、一致する登録済み機能単位の機能単位IDと機能単位ハンドルだけをサービス記述レコードが含んでいる応答です。

提案では、Query Capability応答の種類は、要求されたサービス記述レコードに含まれる要求済み機能単位記述レコードの各々で指定されます。さらに、新しい共通属性がこの目的のために定義されます。

上記の変更要求のように、ハンドヘルドおよびパームトップ・コンピューター分野のためのアーキテクチャを改善するために送付されてきた変更要求については、上記も含めて今後も随時お知らせいたします。サリュテーション・コンソーシアムはオープンな業界フォーラムなので、以上のようなトピック、またはその他のトピックに関するみなさまのご意見を常に歓迎いたします。

展望

 

ハンドヘルドおよびパームトップ・コンピューターの出荷が1999年には180万台を突破

1998年5月付けDataquestのプレスリリースからの抜粋

ハンドヘルド機器が使いやすく廉価になるに従い、世界的なハンドヘルド業界は急成長しています。Gartner Group, Inc.の一部門であるDataquestによると、1997年には240万台の出荷を記録しました。これは1996年比で65%の増加です。

標準ハンドヘルド・セグメントは、1997年の出荷台数が1996年比131%増となる160万台を超え、業界をリードしています。標準ハンドヘルド市場におけるこの急成長の多くは、3ComのPalmPilotによるものです。3Comは標準ハンドヘルド市場で100万台以上を出荷し、その市場シェアも51.7%(1996年)から63%(1997年)に増加しました。3Comの出荷台数は、36万台(1996年)から183%増加しました。ハンドヘルド市場全体では、3Comは市場の41%を占めます。「個々のビジネス・プロフェッショナルが引き続きハンドヘルド市場を支えており、3ComのPalmPilotの魅力は一年を通して弱まる兆しがまったく見られませんでした」 と、Mike McGuire氏 (DataquestのMobile Computing Worldwide programのシニア・インダストリー・アナリスト) は言います。「個人がハンドヘルド・セグメントを引き続き駆動することを期待する一方で、PilotやWindows CEベースのパー! ! %`%H%C%WPCなどの普段何気なく持ち歩く参照機器の利用調査を企業が行うというように、企業の関心が明らかに高まりつつあります。」

Hewlett-Packardは標準ハンドヘルド・セグメントで15%の市場シェアを占める第2位のベンダーでした。HPのWindows CEベースの標準ハンドヘルド・セグメントの市場シェアは43%で、第1位でした。CasioおよびPhillipsがHPに続き、1997年のWindows CEベースの標準ハンドヘルド市場の出荷でそれぞれ17%、16%のシェアを占めました。

「明らかに1998年には、Windows CEベースのパームトップPCはPilotプラットフォームとの競合に挑むことになります。」 McGuire氏はさらに続けて次のように語ります。「ハードウェアの進歩が市場開発に不可欠である一方で、ハンドヘルド・フォーム・ファクターやインターネット/イントラネット通信パイプラインを活用できるようにチューニングされたソフトウェア・アプリケーションは市場に長期的な勢いを形成するものです。」 標準ハンドヘルドはハンドヘルド市場全体の65%を担っていますが、拡張可能オーガナイザー・セグメントはハンドヘルド市場全体の35%を担います。拡張可能オーガナイザー(電子手帳など)は1997年には7%成長し、出荷台数で854,000台に達しました。シャープはこのセグメントで56%のシェアを占める第1位のベンダーでした。

標準ハンドヘルド・コンピューターおよび拡張可能オーガナイザーは、より大規模なハンドヘルド市場の一部分です。標準ハンドヘルドは、ハードウェアおよびソフトウェア機能標準を遵守していることによってオーガナイザーと区別される汎用のコンピューターです。通常、サイズは4インチx7インチx1インチで、重さは約1ポンドです。拡張可能オーガナイザーもまた、ユーザがアプリケーションとメモリーを追加できる機能によって区別される汎用のコンピューターであり、通常は拡張が特定の装置や装置ファミリーに独占的に限定されています。オーガナイザーは約3インチx6インチx3/4インチで重さは1ポンド未満、キーボードを備えており、電池で作動します。

ハンドヘルド市場の概要はDataquest Perspectiveに掲載されています。モバイル・コンピューティング業界の補足情報については、DataquestのMobile Computing Worldwideプログラムで提供されています。Tom MaCall氏(408/468-8312または [email protected]) までお問い合わせください。

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関連トピック

野村総合研究所(NRI)は、ハンドヘルド・コンピューター分野は1999年には38.5%の成長が期待でき出荷台数で130万台(1998年)から180万台(1999年)に達すると予測しています。対照的にNRIは、ポータブルPC市場の成長はハンドヘルド市場の半分以下の17.5%の成長にとどまるとみています。デスクトップPC分野は14.5%の成長を予測しています。

Dataquestはさらに、短期的には3Comが首位を保つことを予想していますが、Windows CE装置が1999年には台頭してくるとみています。また、2002年までには、パームトップ装置は800万台出荷され、Windows CE装置が750万台で急追すると見込んでいます。

 

イベント情報

サリュテーション理事会

- 東京

- 1999年3月30〜31日

AIIM '99 Show and Conference