GREETINGS AND SALUTATIONS!

こんにちは!!

サリュテーションコンソーティアムニュースレターへ
1998年8月発行


目次

会長からのメッセージ
サリュテーションニュース
マネージングディレクターからのメッセージ
サリュテーションシナリオ
製品紹介
Tech Talk
将来の展望
イベント予定

会長からのメッセージ

本コンソーシアムは、その対象領域を広げています

私たちのコンソーシアムは、この7月で創立3周年を迎えました。それまでの間、私たちは、概念レベルから詳細なアーキテクチャの仕様レベルへと作業を進展させ、対応製品の発表と出荷にまでこぎつけました。先月日本で開催された年次会議で、コンソーシアムの理事会が私たちの作業努力を今後も継続するよう指示しました。これらの努力は、すでに次のように実を結んでいます。

私たちは、今後も 継続的に努力してまいります。

サリュテーションニュース

Port-of-Entryソフトウェアが発表されました

サリュテーション・コンソーシアムは、XtraWorX Port-of-Entry(POE)を発表しました。これは特殊な機器ドライバを必要とせずに、ネットワーク内でプリンタ、コピー機および多機能周辺機器にアクセスできるアプリケーションを構築ならびに配備するのを可能にする、新しいソフトウェア開発ツールです。XtraWorX POE Software for Windows 95およびfor NTは、当コンソーシアムと共同でユタ州ハイランドを根拠地とするXtraWorX、LLCによって開発され、市場に送り出されています。

この新しいソフトウェアは、機器間通信の性能をさらに向上させ、利用しやすいものにします。例えば、遠隔地のユーザの方でも、XtraWorX POEソフトウェアをインストールすれば、特別な機器ドライバを使用せずに、パーソナルコンピュータに接続しているプリンタにネットワークを通じてテキストや図形を送信することができます。XtraWorX POEにより、構内ユーザの方はリモートアプリケーションがその構内で接続機器、アプリケーションおよびサービスにアクセスする方法を制御できます。

XtraWorXの社長兼CEOである、ロバート A. パスコ氏は、次のように語っています。「XtraWorX POEを利用すると、これらの機能を組み込んだ新世代の周辺機器が出現するのを待たなくても、アプリケーション開発企業がデスクトップユーザの方々に非常に素晴らしい機能を提供することができます。したがってユーザのみなさんは、機器ドライバの不適合の問題から解放され、作業を行なうのに必要なすべての周辺機器にネットワークを通じて到達することができるのです。」

また、NuOffice製品担当のIBMビジネス開発マネジャーであるスチーブン W. ベリー氏はこう語っています。「XtraWorX POEは、IBMのサリュテーションベースのLotus Notesに対する拡張機能であるNuOfficeにまでその対象範囲を拡大しています。これにより、NuOfficeのユーザの方は従来型の構内プリンタや他の機器にアクセスすることができます。」

Port-of-Entryの機能と利点

XtraWorX POEは、プリンタ、複合機およびハードディスクなどのような従来の機器にまで、サリュテーション・アーキテクチャの恩恵を広げています。XtraWorX POEは、サリュテーションプロトコルを通じて、他のアプリケーション、機器およびサービスにWindowsリソースのあらゆる機能を提示します。POEは、一貫したユーザインタフェースや構内周辺機器やシステムリソースとの基本的インタラクションセットを提供するので、ソフトウェア製造元各社はサリュテーション固有のテクノロジーの開発に多種多様なリソースを使用せずに、ユニークな機能の開発に集中することができます。

XtraWorX POEをWindows95およびNTアプリケーションに組み込むと、サリュテーションプロトコルを使用したリモートアプリケーションとネットワーク化周辺機器との間で通信が可能になります。POEは、以下のような自動機能を実現します。

サリュテーションプロトコルは、ネットワーク化されたデバイスの要件と入出力に関するアプリケーションの要件を合致させるプロセスを自動化します。このプロトコルは、トランスポートとは無関係なので、場所、機能交換およびセッション管理を可能にします。サリュテーション・アーキテクチャは、2地点間環境およびディレクトリ中心環境の両方で動作できるので、たった一台の機器がピアツーピアネットワークでもホストベースのネットワークでも動作可能です。

価格と入手方法

最高5000の許容利用者数のサリュテーションPort-of-Entryの価格は、16,250ドルです。サリュテーションのメンバー企業には、割引料金が適用されます。POEは現在、ベータ試験を受けている段階で、1998年9月15日に出荷が予定されています。この製品は、XtraWorX(http://www.xtraworx.com)からオーダーすることができます。POEには、サリュテーションアプリケーション開発者向けツールキットである、IBMサリュテーションマネジャーのライセンスも含まれています。XtraWorX POEとIBMサリュテーションマネジャーの対象コードサイズは、2MB未満です。

新しいサリュテーション製品の市場投入に伴い、POE用ソフトウェア開発者向けツールキットとPOEの追加バージョンの発表も予定されています。

サリュテーションFAX白書を配布いたします

当コンソーシアムは、サリュテーションFAXプロトコルの利点に関する白書を配布しています。[FaxData]機能単位を基に、このプロトコルは、着信のルーティング、受信通知ならびに読取確認の各機能を実現します。サリュテーションの発見機能を使用することで、サリュテーションFAXは構内リソースの機能と着信FAXデータに関する表現要件とを合致させることもできます。

詳細については、http://www.salutation.org/whitepaper/salfax.pdfを参照してください。

コンソーシアム、ビジネスチャンスを定義

サリュテーション対応アプリケーションの開発が期待される企業を支援するため、当コンソーシアムは、サリュテーションに関連したビジネスチャンスの存在する市場セグメントならびにサリュテーションリソースマネジャー向け高レベル設計を定義した、白書を高次元で作成いたしました。

詳細については、http://www.salutation.org/whitepaper/business.htmを参照してください。

マネージングディレクターからのメッセージ

1998年8月2-4日にカリフォルニア州コロナドで開催された「FAXの方向性 '98/メッセージングワールド」会議より

マネージングディレクターとして、私は、今年メッセージングワールドと一本化された年次FAXの方向性会議にサリュテーション・コンソーシアムを代表して参加する機会を得ました。この会議でもやはり、この統合産業へ参加しているすべての組織の現状、方向性、課題およびビジネスチャンスなどが定義されました。3日間に及ぶこの会議は、275名を越えるFAXおよびメッセージ処理業界の開発企業各社、サービスプロバイダ、アナリスト、コンサルタントおよび各報道機関からの代表者たちの注目を集めました。プレゼンテーションやエキスパートパネルディスカッションには、業界をリードする企業各社や組織から85名の発表者や司会者が参加しました。昨年度の出席者たちからのフィードバックに耳を傾けた後援者たちは、複数のコースや標準に関する特別なセッションを盛り込んだり追加したりし、またエンドユーザを強調することによりこの会議を拡大していました。会期中、メインダイニングルーム周辺に戦略的に配置された数十を越える展示ブースで、貴重な製品、サービスおよび統合情報の展示ならびにデモが行われ、出席者たちの興味をそそっていました。

協議事項の拡大により、出席者たちは6つの主要なコースから興味のあるテーマを選択することができました。彼らは、基調講演者およびコース単位のセッションの発表者たちによる多数の重要なテーマや将来の方向性などに耳を傾けました。以下に、ここで聞くことができた主要なテーマと方向性についていくつか記載します。

1. FAX、電子メール、統合メール、電話ならびにインターネットの集中と統合の影響

2. 特徴、機能および利点は何か。次世代FAXおよびメッセージ処理テクノロジーはどのような方法でこれらを顧客のソリューションに組み込むのか

3. FAXを簡単に利用できる一方で、新しいテクノロジーおよびそれらの多くの利点を活用する方法

4. FAXとメッセージ処理産業に関する標準化の継続的影響

初日には、Davidson Consultingの社長で後援者のピート ダビッドソン氏による開会宣言と挨拶など、いくつかのテントセッションが行われました。同氏の最初の講演で行なわれた主要なメッセージの一つに「もうFAXだけには収まらない」という言葉がありました。同氏は、変化しつつあるFAXと統合メッセージ処理界に関する彼の展望を語りました。彼は、最新の市場調査の結果から、FAX通信はこれで終わるのではなく、むしろ増大し続けることが明らかであると語りました。しかし、FAX業界ならびにその顧客たちは、急激な変化をみせているパーソナル通信界にあって大きな課題を抱えています。中でも、統合メールに関してFAXが直面している基本的課題が、相互操作性の問題です。出席者たちの多くがパーソナル通信を可能にし、さらには統合できる製品やサービスを提供することによって、このような課題にお客様たちが対処できるようにしようとしています。

3日間の会期中、サリュテーションのような台頭しつつある標準およびテクノロジーの影響について説明が行われ、意見が交換されました。開発企業各社とエンドユーザのみなさんは、統合性および相互操作性に対する標準化されたアプローチがないかぎり、統合メッセージ処理のための完全なソリューションをほとんどのお客様が利用することができないということを十分認識しています。その点、サリュテーションのテクノロジーは、相互操作可能な通信用製品やソリューションを構築する素晴らしいベースを提供致します。きわめて総括的でしかも性能の優れたサリュテーションのFAXコンポーネントが、ハードウェアおよびソフトウェア製品がユーザフレンドリなFAX環境を活用し、現在利用されている他のさまざまな形態の電子通信とこの環境を統合するのを可能にします。詳細については、「FAX製品とソリューションに対するサリュテーションの影響」についての説明のある、サリュテーションホームページからの白書の入手方法の項をご覧ください。

サリュテーションシナリオ



サリュテーションのニュースレターの本項では主として、各課題ごとにサリュテーション・アーキテクチャに関する今後予想される用途について述べていきます。このシナリオでは、サリュテーションがみなさんのビジネスにどのような恩恵を与えるのかを思い描くことができるように、みなさんの思考を刺激することを目指しています。まずはじめに私たちは、サリュテーション対応製品とサービスを使用して、問題を解決する方法について説明します。次にその覆いを取り除き、サリュテーションテクノロジーが設定されたシナリオをどのようにして実現可能にしていくのかをお話していきます。

活動はどこで行うものなのでしょう

私たちの多くにとって、「仕事中である」という言葉は、たいてい私たちがいる場所を示すのではなく、私たちが行なっている事柄を表しています。市場誘導型の需要や顧客中心の需要により、私たちは従来の作業場所を離れて、顧客や提供元の事業所に赴いてビジネスを行なわなくてはなりません。私たちのビジネスは、私たちが顧客の現場、顧客の倉庫および現場のオフィスあるいは支店へと赴かなければ実現しません。私たちの機能は 活動を行なう場所 で必要なのであり、机の上での作業はごくまれです。

従業員たちに与えるオフィス空間を縮小し、オフィスに帰って来たときには、共用の机を割り当てられるという風潮が多くの業界で見受けられるようになっています。IBMは、ニュージャージー州の取引地域に限りこのような概念を取り込んで仕事場を縮小することにより、年間7000万ドルもの不動産経費を節約したことが予想されます。少ないオフィス空間を共用するというこのような傾向により、さらに多くの従業員たちが家庭内オフィスを設けるようになってきています。顧客の販路も、すでにこのような傾向をサポートするよう開発されています。ペーパークリップからファイルキャビネットそしてコンピュータネットワーキングギアにいたるまで、現在すべての製品が中央の購買部門ではなく、情報ワーカーに直接販売されています。

動きまわる情報ワーカーにとって、家庭、自動車、飛行機、ホテルなどが、仮想オフィスとしての役割を果たしています。移動しているということが、情報ワーカーたちに特別なストレスを与えています。ビジネス上の意思決定をすばやく行なうために、必要なときそして必要な場所から情報にアクセスできることが、ビジネス成功の鍵となります。リアルタイムでお客様に情報を提供できるなら、その取引で合意に達するのに差が出るかもしれません。

では、ここで、衣類の製造元に勤めるセールスマンのトビーについて考えてみましょう。トビーは販売担当員で、大手デパートチェーン店のバイヤの事務所に出向いています。トビーの成功は、お客様に製品ラインに関する最新情報を提供し、各バイヤの直接的ニーズに合わせてその表現を修正し、会合を終える前にバイヤの要件を満たすプロポーザルを文書に作成できるかどうかにかかっています。

これまで、トビーが移動の際に持ち歩く武器は標準タイプのツールでした。つまり、ラップトップと携帯電話を使用していたのです。そのような中で、彼は新しい武器を手にしたのです、すなわちホテルのビジネスセンター、コンビニエンスストアの店内コピー受付台やお客様のオフィスの一部に設置されたサリュテーション対応複合機およびプリンタです。

現在トビーは、先ほど終えたセールスの現場から次の現場へと移動する間、前もって電話をかけ、バイヤと条件について事前に打ち合わせを行っています。 トビーは、企業のデータベースにラップトップを接続して、バイヤの要求を満たすよう製品ラインを操作し、お客様のニーズに見合う衣類に関する最新情報を集めています。 お客様に電話をかける前に、トビーは近くのビジネスセンターに立ち寄り、会社のホストコンピュータから現地のサリュテーション対応機器へ転送できるようにコンパイルした情報を送信しています。トビーはハードコピーを手にお客様に電話をします。

打ち合わせの後で、トビーは正式な入札手続きに必要な情報を入手します。彼はもう一度ラップトップから企業の販売データベースにアクセスし、製品コード、数量および配送要件などを入力します。ホストコンピュータは、トビーが指定したお客様のサリュテーション対応プリンタに入札情報を出力して応答します。数分内に、トビーは入札書類を作成し、お客様のもとを離れます。このように、手間がいっさいかからない、本当の意味でのリアルタイム販売を行なうことができるようになりました。

トビーの次のお客様は、彼の最も大きな取引先なので、よい印象を与えたいと思っています。彼は、最初のプレゼンテーションをカラーで行ないたいと考えています。彼は自分のラップトップを開き、近辺に設置されている高品位カラープリンタのリストをネットワークで参照しました。その結果、3台プリンタのリストが表示されました。一台はホテル、一台はコピー店そしてもう一台はショッピングモール内のキオスクにありました。彼はとにかく誕生日の買い物をしなくてはならなかったので、ショッピングモールのキオスクを選択しました。プリントを受信している間、彼はキオスクの機器のスキャン機能を利用して、署名した販売契約書を在宅勤務中の彼のアシスタントに転送しました。

成功の陰にサリュテーションあり

サリュテーションは、トビーが選択したプリンタや複合機の機能を判定するため、企業内ホストコンピュータによって使用されています。機能を知ることで、企業のコンピュータは、利用可能な特徴や機能のすべてを利用できるように印刷作業をフォーマット化することができます。したがって、当然、最終的出力が機器が実現できる最も質の高い表現にすることが可能になります。

サリュテーションは、トビーが捜し求めているカラーデバイスを特定するときにも使用されます。サリュテーションの検索機能を使用して、トビーが必要としている特定の機能を指定します。これらの要件を満たす機器だけがこの検索に対する応答として返されてきます。

最後に、キオスクのサリュテーション対応スキャナを使用して、トビーのアシスタントに販売契約書を送信することができます。FAXよりスキャン解像度が高くしかもインターネットに直接接続されているため、質の高い再生コピーが直接アシスタントに送られます。FAXを使用した場合の見にくさや遅さはもう過去のものとなりました。それだけでなく、サリュテーション対応スキャナは、そのスキャン動作をアシスタントのサリュテーション対応出力機器の機能に合うように調整することさえできるのです。利用できるサリュテーション対応出力機器は、彼がどこで作業しているかによりさまざまです。

製品スポット



Port-of-Entryテクノロジーの概要

XtraWorX Port-of-Entryは、Windowsワークステーションリソース向けのサリュテーションサーバです。本製品は、ワークステーションの現在のユーザを識別し、構内で接続されているプリンタを特定し、構内のディスクスペースの一部を捕捉します。これらのリソースは、サリュテーション機能単位とみなされ、内蔵IBMサリュテーションマネジャーを通じて、[AddressBook]、[Print]および[DocStore]の各機能単位として表現されます。

Port-of-Entryはグラフィカルユーザインタフェースを提供するので、構内ユーザの方はリソースやそれらの機能を確認したり変更したりすることができます。またユーザのみなさんは、サリュテーションプロトコル内でのセキュリティに必要なユーザIDやパスワードパラメータを設定することもできます。

Port-of-Entryは、サリュテーションプロトコル向けの対応ワークステーションのための汎用ツールとして設計されています。したがってPOEは、レベルの低い極めて単純化された形式のプロトコルをサポートします。POEは、発表されている他のサリュテーション対応製品(すなわち富士ゼロックスのNetwork AbleやIBMのNuOfficeなど)で可能なサリュテーションパーソナリティをサポートしません。

従来の機器でのPort-of-Entryの使用法

Port-of-Entryの初回リリース版は、サリュテーションプロトコルで従来のプリンタ、スキャナおよびFAXを使用可能にするためのメカニズムを提供すると、考えてください。プリンタ用Windows機器ドライバが設備されている限り、プリント機器が自動的に対応します。スキャンおよびFAX通信を対応させるには、[DocStore]機能単位を機器にマップしなくてはなりません。

例えば、各[DocStore]機能単位をスキャナに割り当て、FAXやFAXプロセスに別の機能単位を割り当てることもできます。Port-of-Entryと同じワークステーションで動作するブリッジングアプリケーションが[DocStore]の内容をモニタし、変更に気付いたなら適切な処置を講じることができます。例えば、モニタの対象となっている[DocStore]機能単位にファイルが追加されたことにアプリケーションが気付いたなら、送信できるようにFAXアプリケーションあるいはFAXにそのファイルを転送します。(FAXの宛先アドレスを特定するための規則を設定する必要があります。)

スキャンまたは着信FAXデータに関しては、ブリッジングアプリケーションがスキャナやFAX/プロセスからの画像出力を[DocStore]機能単位に関連付けられた下位ディレクトリに格納します。リモートアプリケーションは、サリュテーションプロトコルを使用して、[DocStore]機能単位をモニタし、これらの単位がその内容を受信したなら適切な処置を講じます。

Port-of-Entryの開発環境

Port-of-Entryは、Microsoft Visual Basic 5で開発されています。この環境で開発されたアプリケーションは、Windows95/98、NTおよびCEなどのWindowsオペレーティングシステムの多くに移植することができます。ただし、Port-of-Entryの移植は、現在利用できるWindows95およびNTで試験済みの必須IBMサリュテーションマネジャーの制限を受けています。したがって、Port-of-Entryは、組込み環境で使用することを目的としていません。

フォーマットとプロトコル

Port-of-Entryは、広範の従来型機器ベースをサポートするよう設計されているので、サポートされる機能単位のそれぞれに固有のパーソナリティセットを提供します。各従来型プリンタ機器ドライバにサリュテーションコマンドをマップする必要があるサリュテーションパーソナリティは、Port-of-Entryの初回リリースでは サポートされません

ワークステーション環境に関係のあるセキュリティとプライバシー保護の問題が非常に重要なので、Port-of-Entryを使用する場合、オープンなサービスリクエストではユーザIDとパスワードを指定する必要があります。Port-of-Entryは、nCredential=1とnVerifier=1を指定していないすべてのサービスリクエストを拒絶します。

Port-of-Entryでは、機能単位記述レコード必須属性として、次のデフォルトの設定が使用されます。

次の必須属性を設定できるように、グラフィカルユーザインタフェースが提供されています。

[Print]機能単位

Port-of-Entryの[Print]機能単位は、GDIによりエミュレートされたパーソナリティをサポートします。つまり、Port-of-Entryは、[Print]機能単位を対象とした情報が目標プリンタの機器ドライバのPrint to Fileオプションを使用して生成されたと想定します。Port-of-Entryは、[Print]機能単位に関する有効なオープンサービスリクエストを受信すると、関連するプリンタをオープンします。この[Print]機能単位に関する次の受信データは、構内の印刷待ち行列内に置かれます。この[Print]機能単位に関するクローズサービスリクエストにより、関連するプリンタがクローズします。これらの活動が、構内環境で.prnファイルの印刷をエミュレートします。

Port-of-Entryは、[Print]機能単位として表現されたプリンタの現在の設定を登録します。例えば、構内プリンタがリーガルのサイズの用紙とレターサイズの用紙の両方を取り扱うことができ、しかも現在レターサイズが選択されている場合には、[Print]機能単位記述レコードにはその用紙サイズ属性の文字だけが記述されます。このテクニックにより、リモートユーザが構内印刷リソースを変更するのを抑止することができます。Port-of-Entryは、最高8つまでの[Print]機能単位をサポートします。

Port-of-Entryの[DocStore]機能単位は、バックアップによりエミュレートされたパーソナリティをサポートします。つまりPort-of-Entryは、[DocStore]機能単位と関連付けられる下位ディレクトリ内に格納された情報を有効なクライアントアプリケーションに転送すべきであると想定します。Port-of-Entryは、[DocStore]機能単位に関する有効なオープンサービスリクエストを受信し、要求側アプリケーションの下位ディレクトリ内に格納されているすべてのファイルを送信します。これらのファイルは、伝送に成功すると削除されます。[DocStore]機能単位をRead/Writeとして指定すると、この[DocStore]機能単位に関する受信データがその[DocStore]機能単位に関連付けられた下位ディレクトリ内の新しいファイルに保存されます。Read Onlyとして指定した[DocStore]機能単位に関する受信データは無視され、サービスセッションが終了します。

Port-of-Entryによってサポートされる唯一の[DocStore]属性が、docReadWriteです。Port-of-Entryは、最高8つまでの[DocStore]機能単位をサポートします。

[AddressBook]機能単位

Port-of-Entryの[AddressBook]機能単位は、ブロードキャストによりエミュレートされたパーソナリティをサポートします。つまり、Port-of-Entryは、固有のアドレスブック内に格納されている情報を妥当なクライアントアプリケーションに転送すべきであると想定します。Port-of-Entryは[AddressBook]機能単位に関する有効なオープンサービスリクエストを受信すると、要求側アプリケーションに対しPort-of-Entry[Addressbook]情報を送信します。[AddressBook]機能単位に関する受信データは無視され、サービスセッションが終了します。

Port-of-Entryによってサポートされる[AddressBook]属性は、以下のとおりです。

AB_DATA_FORMAT_VCARD

Port-of-Entryは、最高8つの個別vCARDレコードを表現する、1つの[AddressBook]機能単位をサポートします。

Tech Talk

サリュテーション・アーキテクチャの拡大



第10回サリュテーション・コンソーシアム技術委員会の成果



この会議の目的は、サリュテーション・アーキテクチャの拡張機能を最終的に決定することにありました。これら拡張機能には、サービスロケーションプロトコル(SLP)バージョン2をベースとしたサービスの発見および[JetSend Devices]FUサポートなどがあります。今年度末までに、バージョン2.1としてサリュテーション・アーキテクチャ仕様にこれらの変更内容が盛り込まれることが予定されています。また技術委員会は、XtraWorX Port-of-Entry製品の再評価も行ないました(「こんにちは!!」のコラムのサリュテーションニュースと製品スポットの記事を参照してください)。

サービス発見が、アーキテクチャの対象域を拡大

技術委員会は、マルチキャストを利用したディレクトリベースのサービスロケーションプロトコルバージョン2(SLP V2.0)でモデル化したサービス発見拡張機能に関する仕様書案を再評価しました。SLP V2.0はまだインターネットに関するドラフトレベルにあり、数社がSLP V2.0の実装を予定しているにすぎませんが、サリュテーション・アーキテクチャV2.1がリリースされるときまで、このバージョンが標準とみなされることが期待されています。

SLPを利用したサービス発見は、サブネットの先までサリュテーションプロトコルの対象域を広げるので、機器、アプリケーションおよびサービスが機能を宣伝し、現地にある必要なサービスや機能を特定することができます。プロポーザルでは、サリュテーションとSLPサービス発見機能がネットワーク内に混在し、両方の技術が同時に存在できることになっています。サリュテーションとSLP発見機能の両方が、1つのサリュテーションAPI仕様の下で提供されます。したがって、アプリケーションプログラマのみなさんがどんな発見技術が使用されているのかに気付かないうちに、サリュテーションマネジャーがネットワーク特性に適合します。

初期設定プロセス

SLA V2.1の下のサリュテーションマネジャーには、SLP V2.0をサポートするサービスエージェント(SA)とユーザエージェント(UA)が組み込まれる予定です。SA/UAは、UAを通じて前設定、マルチキャスト、同報通信することによりディレクトリエージェント(DA)を見つけ出そうとします。SLM V2.1は、SLM V2.0で登録されたFUを発見できるようにするため、サリュテーション検索 & クエリーを今後もサポートすることになっています。

FU登録プロセス

SAは、DAを発見したなら、サービスURLおよび属性セットとしてサリュテーションFUを登録するため、各DAにユニキャストします。UAがDAを発見できなかった場合には、SLMが構内で機能登録を保持し、サリュテーション検索 & クエリーコマンドを待ちます。

FUが登録解除されると、SAがアンレジスタリクエストを登録したすべてのDAにユニキャストします。

クライアントアプリケーションからのFUの検索

UAがDAを検出すると、複数のDAのなかの1つだけにサービスリクエストをユニキャストします(すべてのDAが同じ内容を所有しているので、1つのDAとの通信で十分です)。UAがDAを発見できなかった場合には、SA群にサービスリクエストをマルチキャストします。このマルチキャスト操作により一つサブネットを超えたディレクトリのない環境下でも、SLPによるサービス発見が可能となります。このような操作では、SLM V2.1を使用して登録されているFUも発見されます。いずれの場合も、SLM V2.0を使用して登録されているFUを発見したい場合には、サリュテーションマネージャーがSLA V2.0の下で発見サービスを提供します。サリュテーションマネジャーは、ユニキャストに応答したDAからの応答、マルチキャストに応答したSA群からの応答およびサリュテーションからの応答を一括し、重複した応答を削除した後、サリュテーションAPIを通じてクライアントアプリケーションに結果を戻します。

JetSend機能単位、JetSend発見機能を提供。

HPのJetSendは、対象とする機器の詳細を理解していなくても、機器が接続し有意義なデータ交換を可能にする機能を提供します。ただし、機器とそれらの機能について学習する必要があるかどうかは、その環境と機器を使用する状況次第であるといえます。発見テクノロジーは環境によっても異なるので、HPでは実装時にその機器に必要な発見テクノロジーを判断できるようにしています。JetSend対応機器でサリュテーション発見テクニックを使用する際に役立つように、HPは[JetSendDevice]FUに関する仕様を許可するよう技術委員会に申請しました。

[JetSendDevice]FUにより、クライアントアプリケーションはJetSend機器に関する情報を入手できます。[JetSendDevice]FUを利用できる代表的機器には、以下があります。

[JetSendDevice]FUの属性には、機器クラス、下位アドレス、ならびに画像、テキスト、オーディオ、ビデオで利用され、受け入れられている暗号化テクニックなどがあります。

要約: SLPにより、サービス発見のための堅固なプラットフォームを確立できるような、ディレクトリベースのサービス発見のスケーラビリティがサリュテーションにもたらされています。SLPとサリュテーションを一緒に使用することで、将来のネットワーク機器を企業のオフィスからキッチンカウンターに至るまでのあらゆる環境で、相互に発見し合い通信し合えるように設計することができます。

将来の展望

インターネット電話は将来どうなるのか

ケンブリッジテレコムの5月の報告書は、このかつてのインターネット電話は現実により近づくための1ステップであったと観測しています。一方、TCP/IP音声接続がMa'Bellに取って代わる件については何も語っていませんでした。とんでもないことです、私たちは無線Webブラウジングについて語り合ってきたではありませんか。

ケンブリッジテレコムレポートによれば、Matra Communication Cellular Terminalsは、Unwired Planetの対話型インターネットマイクロブラウザであるUP.ブラウザを使用したプロトタイプのモーバイル電話に関して、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)フォーラム(www.wapforum.org)の共同設立企業の一社であるUnwired Planetと共に共同作業を行なっているとのことです。

このブラウザを使用すると、移動電話のユーザの方たちが、重要なWebベースの情報に効率的にしかも簡単にアクセスすることができます。ブラウザは、移動電話に必要な処理機能を実質的に軽減する無線マークアップ言語(WML)を使用します。したがって、移動電話のスクリーン上でその場でしかも簡単に情報を検索し表示することができます。

Eメールの他に、無線のインターネット電話が電子金融業務、天気予報、株式市況へのアクセスだけでなく、また電話ディレクトリや価格リストなどといった企業内情報へのアクセスも可能にしています。

これは前進ではありますが、ワークステーション、ラップトップ、ハンドヘルドPCなどのような他の通信機器と置き変わるわけではありません。各製品がそれぞれの作業に適した役割を果たしています。コンテンツプロバイダの方にとって大切なことは、お客様の機器の特徴がどんなものであるかを判断し、それに基づいて情報をフォーマット化できることです(html,xml,vml,..?)。サリュテーションはこのような機能発見のために使用するためのツールです。

イベント予定

1998年9月15日、XtraWorX Port-of-Entryの出荷

1998年10月13-15日、マサチューセッツ州ボストンのFairmont Copley Plaza Hotelにて開催予定の、集合しつつあるディジタル周辺機器/統合オフィス会議1998

1998年11月16-20日、ラスベガスコンベンションセンターにて、COMDEX/Fall'98


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