GREETINGS!


サリュテーション・コンソーシアム ニュースレター
1999
年12月

Table of contents

会長からのメッセージ
サリュテーション・ニュース
マネージング・ディレクターより
サリュテーション・シナリオ
製品フォーカス
テクニカル・トーク
イベント情報

会長からのメッセージ

成長は順調! ここ数か月でジェネラル・メンバー2会員、アカデミック・メンバー2会員を新たに加えたほか、赤外線データ協会(IrDA)とメンバーシップを交換しました。

マスコミの反応は順調! 同じくここ数か月でCommunications System Design(Top Ten、1999年11月号)[1]、Comdex Computer Show Daily[2] の2誌に、記事とパーソナル・インタビューが掲載されました[3]

フリー・コードは順調! サリュテーション-Liteのベータ・テストも開始しました。コンソーシアム会員のみなさまは、ウェブサイト(www.salutation.org/lite/liteware.htm)からベータ・テスターに申し込むことができます。非会員でベータ・コードをご希望の方は、ウェブサイト(www.salutation.org/memberapp.htm)から会員にお申し込みください。

実装の幅広さは順調! Windows CEおよびPalmOSバージョンに加え、サリュテーション-LiteのJavaバージョンも提供予定です。どのバージョンもオープン・ソース・モデルとなります。Liteバージョンは、IrDA上でデモンストレーション中ですが、Windows Socketsを介しているため、TCP/IPやBluetoothなどへも簡単に移植可能です。

 サリュテーションは順調! サリュテーション・コンソーシアムの技術は、ほかの大手サービス・ディスカバリ・テクノロジーに勝るとも劣りません。必要なデバイス・ドライバを見つけてロードする機能すら備えています。このようなデバイス・ドライバに制約はありません。共通する1種類だけでなく、複数のターゲット・プラットフォームに使えるよう設計することもできます。その上、サリュテーションは今すぐ入手可能なのです。テクノロジーは完成されており、現在すでに搭載済みの製品やサービスが出荷されています。

 サリュテーションはオープン、出荷中、それに無償です。すばらしいことではありませんか!



[1] www.csdmag.com/main/1999/11/9911top.htm

[2] www.oser.com/csd/sa01.html, www.oser.com/csd/sa02.html, and www.oser.com/csd/sa03.html

[3] www.oser.com/csd/sa11.html

サリュテーション・ニュース

サリュテーション-Liteのベータ・テスト開始

フットプリントを縮小したサリュテーション・アーキテクチャの実装、サリュテーション-Liteは現在ベータ・テスト中です。これは、保存領域が限られ、通信帯域幅が狭く、さらに電力消費量が限定された情報機器の市場を対象としています。ターゲットとなる機器は、ハンドヘルドおよびパームサイズ・コンピュータ、携帯電話、ポケットベル、家庭用電化製品、ローカル・インフォメーション・サーバーです。

サリュテーション-Liteは、初めて実装する際の参照モデルとして使用できます。つまり、サリュテーション・サービス・ディスカバリ機能の参照実装となるのです。このシンプルな設計にサリュテーションのアベイラビリティ・チェックおよびセッション・マネジメントを加えることも可能です。

サリュテーション-Liteでは、2つの新しいファンクショナル・ユニット、[Display]と[Operating 環境]を提案しています。また、帯域幅の限られた環境を想定したReply FlavorおよびDon'tCare Compareアルゴリズムという2機能もご覧になれます。

サリュテーション-Liteは、赤外線データ協会(IrDA)プロトコルに実装されていますが、ほかのプロトコル・スタックにも簡単に移植可能です。Windows CEに搭載したサリュテーション-Liteもあり、PalmOSにも移植予定です。

ベータ・コードは現在、サリュテーション・コンソーシアム会員に配布中です。コードへのアクセス方法については、ウェブサイト(http://www.salutation.org/lite/liteware.htm)をご参照ください。

増加するコンソーシアム会員

ここ数か月の間に、パームサイズ・コンピュータ市場に重点を置く2企業、アカデミック・メンバー2会員、さらに赤外線データ協会(IrDA)標準グループが、コンソーシアム会員に加わりました。

TRG Products社

SuperPilot Memory Peopleとして知られるTRGは、成長中のPDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)市場向けに、ハードウェア、ソフトウェア、およびカスタム企業用ソリューションを提供しています。TRGは、3Comアライアンス・パートナー、Palmプラチナム・パートナー、IBMビジネス・パートナーを兼ねており、3Com Palmコンピューティング・プラットフォーム用に幅広い用途のメモリ拡張製品を提供しています。また、モバイル職業人向けPalm OSの最高峰といわれるTRGProを開発、マーケティングしています。

TRGは、TRGpro PalmOSハンドヘルドにサリュテーション-Liteを実装する予定です。

Microburst社

MicroBurstTMは、ハンドヘルド/PDAデバイス(Windows CE、3Com Palm Pilotなど)、スマートフォン、ワイヤレス・インターフェース、Windows、Macintosh、OS/2用アプリケーションを設計、開発、テストしています。MicroBurstは、サリュテーション-Liteを使って、WinCEとPalmOSデバイス間でのビジネス・カード交換を可能にするソフトウェアを開発する計画です。.

赤外線データ協会(IrDA)

1993年に設立された赤外線データ協会(IrDA)は、相互動作可能かつ低価格な赤外線データ相互接続標準を作成、促進する国際団体です。このような標準は、同一直線上の離れた2点間において作用し、幅広い機器、コンピューティング、通信デバイスに対応します。

赤外線データ協会(IrDA)の会員は世界に広がり、ハードウェア、システム、ソフトウェア、ペリフェラル、コンポーネント、通信の各メーカー、ケーブルおよび電話会社、自動車メーカーやサービス・プロバイダの大手が名を連ねています。

スティーブン・ライス(Steven Reiss)博士

スティーブン・ライス博士は、ブラウン大学のコンピュータ・サイエンス学教授兼コンピュータ・サイエンス学部準学部長です。同博士は、1972年にダートマス大学で学士号を取得、1977年にイェール大学で博士号を取得、同年にブラウン大学の教授陣に加わりました。1987-1989年には、IBM Research Scholarに指名されました。各紀要や会報に発表した論文は数多く、SIGPLAN、SIGSOFT、IEEE、USENIXに関連するさまざまな会議プログラム委員会で委員を務めています。同博士が記述したいくつかのソフトウェア・システムは、ブラウン大学外へも広く配布されています。

ライス博士の専門研究分野は、プログラミング環境とソフトウェア・ビジュアライゼーションです。以前のプログラミング環境には、PECAN、GARDEN、FIELDがあります。現在は、低価格なデータ統合メカニズムを一般的なエディタや3Dソフトウェア・ビジュアライゼーション・ツールと組み合わせた新しいプログラミング環境DESERTを研究中です。

高木友博博士

明治大学コンピュータ工学部の高木友博博士も、サリュテーション・コンソーシアムのアカデミック・メンバーに加わりました。

サリュテーション-LiteのJava実装を提供

コンソーシアムは、サリュテーション-LiteコードをJavaに移植するため、デンバーのコロラド大学と契約しました。このプロジェクトを指揮するのは、コンソーシアムのアカデミック・メンバーであるタメル・ボーズ(Tamel Bose)博士です。コンソーシアム会長のロバート・パスコ(Robert Pascoe)氏は、次のように述べています。「サリュテーション・アーキテクチャのJava実装は、アーキテクチャの汎用性を示すものです。Windows、Windows CE、PalmOS実装も併せれば、このソリューションがオペレーティング・システムを問わないことがおわかりいただけるでしょう。」

サリュテーション-LiteのJava実装は、TCP/IPスタック上で動作しますが、ほかのプロトコルへも移植可能です。2000年第2四半期には、この実装がオープン・ソース・モデルとしてどなたにもご利用いただけるようになります。

マネージング・ディレクターより

サリュテーション・ベースのソリューションの価値

求められる相互動作性

ここ数か月間に、Networld + Interop、Palm Source、COMDEXなど多数のビジネス・ショーや会議で、何百人もの開発者、企業管理職、幹部らと、各社製品やソリューションにおけるサリュテーション・テクノロジー活用の利点について話し合う機会がありました。サリュテーションのようなサービス・ディスカバリ・テクノロジーに対する関心の高まりは、各社のネットワーク・ソリューションを構成するハードウェアおよびソフトウェア製品間に真の相互動作性が求められていることを明らかに示しています。先進的な企業は顧客のニーズに応えるため、製品の相互動作性を強化、向上する道を探っています。また多くの企業は、相互動作性を求める顧客のニーズを十分に満たすことのできるハードウェアおよびソフトウェア製品を開発する上で、最も重要な要素の一つとしてサリュテーション・アーキテクチャのパワーと利点を模索しています。

注目を集めるアプリケーション・デモ

どんなテクノロジーでも同じですが、サービス・ディスカバリのコンセプトも、内容の濃いアプリケーション・デモで見ると最もよく理解でき、価値もわかります。さまざまな情報機器、さらに各機器個別の機能を認識するアプリケーションが、どのように情報を収集し、効果的に使用するかを示すデモを見ると、サービス・ディスカバリとケーパビリティ・エクスチェンジを使ったソリューションの良さがひと目でわかります。サリュテーション・コンソーシアムの会員企業は現在、多数のモバイル・デバイス環境についてアプリケーション・デモを製作中です。これらのデモは、コンソーシアムが提供するサリュテーション-Liteの参照モデル・ソース・コードをベースにしたものになります。このコードのベータ・バージョンは現在、会員企業に配布中ですが、2000年前半にはサリュテーションのウェブサイトから一般に配布する予定です。     

ユーザーを満足させる画期的アプリケーション

デモに惹きつけられたユーザーは、画期的アプリケーションを探し始めます。画期的アプリケーションの定義として、多数の人々が欲しがるテクノロジーのアプリケーションということがあります。Amazon、FedEx、Travelocity、または最先端アプリケーションで顧客に対応する地方銀行であれ、生産性やクオリティ・オブ・ライフを改善する先端アプリケーションに対して、顧客は飽くことを知りません。

企業が大規模な利益を上げるためには、画期的アプリケーションが必要です。これらのアプリケーションの有益性には3つの要素があります。つまり、リンクを作成する、機能と情報をクリエイティブな方法で組み合わせる、ユーザーと情報をつなぐ、ということです。ワイヤレス通信とネットワークに対する関心と需要の急激な高まりは、手に持ったデバイスで可能な限りたくさんの情報にアクセスしたいという要求がいかに高まっているかを顕著に示しています。手に持つデバイスには、携帯電話、PDA、ラップトップ・コンピュータなどがありますが、何であれネットワークに認識され、情報を供給する画期的アプリケーションと完全な相互動作性がなければなりません。

サリュテーション・アーキテクチャは実績ある設計を持ち、革新的な企業にとっては厳しいニーズに応える画期的アプリケーションを開発、提供する可能性を秘めています。可能なアプリケーション分野(ジオグラフィック・コンピューティングなど)を説明した白書がいくつかサリュテーション・ウェブサイトに公開されていますので、サリュテーションを利用して画期的アプリケーションを開発する参考にしていただければと思います。     

ビジネス関係の発展

ほとんどの企業は、特定の分野に限られたリソースと専門技術を持っています。ですから通常、トータルなソリューションを開発、提供するには、ほかの企業や組織と協力して完全なチームをつくることが有益です。コンソーシアムは、各社の研究、開発、およびマーケティング担当者と協力することによって、ほかの先端企業とビジネス関係を結ぶ機会を継続的に提供します。コンソーシアムのワーキング・グループ、理事会、そして会員間の定期的なコミュニケーションは、会員企業がお互いに有益なビジネス関係を結ぶ機会を提供します。コンソーシアムのビジョン、趣旨、そして相互動作性を促進するという共通の目標が、大小さまざまな企業が協力する上で直面する多くの壁を取り払ってくれるのです。サリュテーション・コンソーシアムの会員はこれまでにも、共通の開発プロジェクト、製品テスト制度、共同マーケティング活動、その他さまざまなタイプの協力関係を開始し、業績を上げています。

ここまで短い記事の中ではありましたが、サリュテーション・アーキテクチャとコンソーシアムが企業や組織に新しい機会を提供することについて、多少のアイデアを提案しました。会員でない方は、個人としても企業としても、じっくりと時間をかけて得られる利点を具体的に探り、理解していただければ幸いです。ご質問や、詳細情報の請求、または会合をご希望の方は、私あて([email protected])に電子メールでご連絡ください。

サリュテーション・シナリオ

IGreetings!各号の「サリュテーション・シナリオ」では、想定しうるサリュテーション・アーキテクチャの用途にハイライトを当てます。これは、サリュテーションがどのようにビジネスに有益に働くかを思い描くきっかけとしていただくためのものです。まず、サリュテーションを使った製品やサービスを使って、どのように問題を解決するかの具体例を挙げます。そのあと、サリュテーション・テクノロジーがどのようにそのシナリオを実現したかの種明かしをします。

チャーリーは、あと数分で一世一代のビジネス・プレゼンテーションをするところです。彼は、職業人生の節目となるかもしれないこの決定なプレゼンテーションのために、オレゴン州ポートランドのオフィスからはるばるニュージャージー州パラマスの本社までやってきたのです。会社経営陣の前で説明するのは、秘蔵のプロジェクト「電子ネズミ捕り」のビジネス計画です。彼は、何週間も毎日のように図表をいじったり、座標をちょっと動かしたり、やきもきしてきました。今朝、ホテルで朝食をとっている間にも、部下から昨夜受け取った新しい市場予測に基づいて、スプレッドシートに最後の微調整を加えました。

しかし、その瞬間はやってきました。こまごまいじっている時間は終わったのです。あとは、図表をプリントアウトして会議に向かうばかりとなりました。

ラップトップを片手に、チャーリーはホテルのビジネス・センターへと向かいます。ラップトップを開け、プレゼンテーションを読み込むと、印刷メニューを立ち上げました。ラップトップの赤外線ポートをビジネス・センターの補助赤外線ポートに向け、コンピュータの印刷メニューからオプション「印刷12部、順序合わせ、仕上げ済み」を選びます。数分後、ビジネス・センターの係員がチャーリーに出来上がった印刷物、つまりプレゼンテーションのカラー印刷12部をきちんとまとめてホッチキスで止めたものを手渡します。チャーリーは、ドアを飛び出し、大事な本番へと向かいました。

舞台裏のサリュテーション

チャーリーのラップトップ・コンピュータにもホテルのビジネス・センターにも、サリュテーションが生きています。以下に、サリュテーションがどのようにプレゼンテーション準備に役立ったかを説明します:

  1. ラップトップは、赤外線ネットワーク上でサリュテーション・プロトコルを使い、チャーリーの必要に合う印刷機器を見つけます。プレゼンテーションはカラーで、かつチャーリーは「仕上げ済み」(順序を合わせ、ホッチキスで止め、束ねること)を希望したので、サリュテーション・プロトコルはその機能を備えた機器、つまりハイエンド・マルチ機能デバイスを探し出しました。 

  2. チャーリーは急いでいたので、選択したマルチ機能デバイスが今使えるかどうか、サリュテーション・プロトコルに確認させました。大事な印刷ジョブを使用中の機器や、紙切れやインク残量の少ない機器に送って、時間を無駄にするわけにはいかなかったからです。

  3. チャーリーは、その機器を一度も使ったことがありませんでしたが、サリュテーション・プロトコルなら選択した印刷機器に適切なドライバを見つけ、ラップトップにロードしてくれるとわかっていました。(このプロセスについて詳しくは、Greetings!本号のテクニカル・トークをご参照ください)    

  4. ラップトップがマルチ機能デバイスのハイエンド機能を動かすのを助けたのは、サリュテーションのセッション マネジメント機能でした。この共通言語のおかげで、ラップトップはどんなデバイスに対しても、ジョブの開始、終了、サスペンド、そしてジョブのステータス チェックをさせることができるのです(これが最も重要な機能です)。また、上記のステップ1で共通の印刷言語が見つかっていれば、サリュテーションの仕事はそこで終わっていたことでしょう。たとえば、マルチ機能デバイスがPostscriptをサポートしていれば、ラップトップはサリュテーション・セッション・マネジメント・プロトコルを使う代わりにPostscriptで印刷イメージを生成、送信することもできるのです。

  5. 印刷ジョブが終ると、ラップトップは自動的に要らなくなったデバイス・ドライバを削除して、ディスク・ストレージ空間を解放します。

製品フォーカス

サリュテーション-Liteベータ

サリュテーション-Liteのベータ・コードは、すでにテスト準備を完了しています。コンソーシアムはこのコードを、Palm Source Developers Conference、MFPA Conference、Fall COMDEX 99の各イベントでデモに使用しました。このコードは、Windows 98プラットフォームのサリュテーション・クライアント、そしてWindows 98およびWindows CEプラットフォーム用のサリュテーション・サーバーを提供します。


 

サリュテーション-Liteサーバーは、次のデバイス用にコンパイルされています::

ベータ版には、Windows CE拡張付きWindows C++ バージョン6ツールキット用の完全な開発環境を含めたソース・コードが入っています。上記のデバイスについてはオブジェクト・コードもあります。Windows 98プラットフォームの場合は、IrDA互換型赤外線アダプタが必要になります。Windows CEデバイスは、製品自体にIRが統合されています。

提供されたソース・コードを使えば、どんなWindows CEデバイスで実行するものも簡単に準備できます。シンプルな設計のおかげで、ほかのオペレーティング・システムへの移植も簡単です。

ベータ・コードは、サリュテーション・コンソーシアム会員に現在配布中です。コンソーシアム会員のみなさまは、コンソーシアムのウェブサイト(http://www.salutation.org/lite/liteware.htm)からベータ・テスターにお申し込みいただくと、コードへのアクセス方法およびプログラムへの参加要領をお送りします。非会員でベータ・コードをご希望の方は、ウェブサイト(www.salutation.org/memberapp.htm)から会員にお申し込みください。

 

テクニカル・トーク

デバイス・ドライバの検索

今月のサリュテーション・シナリオでは、ビジネスマンがホテルのビジネス・センターでサリュテーションを使い、印刷ジョブに適切なハイエンド・プリンタを見つける例を紹介しました。この中で、印刷機器に適切なドライバを見つけ、自分のコンピュータにダウンロードする部分がありました。以下、「テクニカル・トーク」では、このテクニックを説明します。

必要なデバイスを見つけることは、ソリューションの一部に過ぎません。見つけたら、どうやって使うのでしょうか?新しいプリンタをプラグアンドプレイ搭載PCにインストールすれば、プリンタは認識され、適切なデバイス・ドライバをインストールするプロセスが始まります。でも、デバイス・ドライバはどこにあるのでしょう?運が良ければ、オペレーティング・システムCDに入っているかもしれませんが、CDはどこへやったでしょう?ドライバはプリンタ・メーカーからもらったフロッピー・ディスクに入っていることもあります。運良くフロッピーをなくしていなかったとしても、出張中ではフロッピーやOS CDを持っていないことがほとんどです。ですから、デバイス・ドライバをロードするという古典的な方法がいつも可能だとは限らないのです。

サリュテーションのFind-and-Bind?テクノロジーを使えば、デバイスやネットワーク・サーバーがデバイス・ドライバを内部的に保存できます。また、これらのドライバを自動的に発見し、ユーザーのサリュテーション搭載コンピュータや情報機器にダウンロードさせることもできます。これにより、デバイス・ドライバがもともと入っているメディアを人間が探す必要がなくなり、デバイス・ドライバのインストールは完全に自動化されます。

動作のしくみ

サリュテーション・アーキテクチャには、[DOC Storage]と呼ばれるファンクショナル・ユニットがあります。このFUはもともと、受けたり送ったりするファクスを一時的に保持し、スキャンしたページや印刷出力を保存するためのものでした。しかし、サリュテーション・アーキテクチャ仕様のバージョン2.0cリリースでは、[DOC Storage]を拡張してデバイス・ドライバ、アプリケーション・プログラム、実行可能コード、アプリケーション・データも含めるようにしました。そして[DOC Storage]FUデスクリプション・レコードがファイル・タイプ属性を保持しているため、これらの新しいタイプを含む[DOC Storage]の内容が識別されます。

[Client]FUは、この新しい属性を利用し、サリュテーションのQueryCapabilityコマンドでデバイス・ドライバを含む[DOC Storage]FUを探し出すことができます。つまりFileDataに属性を質問することによって、クエリーはデバイス・タイプとオペレーティング・システムについてさらに限定されます。したがって[Client]FUは、ABCオペレーティング・システム向けにコンパイルされたXYZプリンタ用デバイス・ドライバでも見つけることができるのです。

いったん見つかれば、[Client]はRetrieveDoc [DOC Storage]コマンドを使ってデバイス・ドライバを取得できます。取得すれば、[Client]は単にデバイス・ドライバをインストールし、デバイスを使用するだけです。使ったあとは、デバイス・ドライバはアンインストールして削除し、[Client]メモリを解放します。

最後に、サリュテーションによってメーカーによるデバイス・ドライバのアップグレードが簡単になります。StoreDoc [DOC Storage]コマンドを使えば、デバイス・ドライバを上のバージョンに上書きすることができます。

 イベント情報

Bluetooth Developers Conference